不登校の児童生徒への関わり方に、正解はありません。
これは綺麗事ではなく、私自身の経験からたどり着いた結論です。
今回は、
- 教員1年目に初めて不登校の生徒を担当した経験
- 教員を辞める年に担任した、不登校児童とのエピソード
この二つの体験から、私が何を学び、どんなスタンスに行き着いたのかを書いていきます。
教員1年目、「学校に来させること」が正義だと思っていた
教員1年目。
私は中学2年生担任として、不登校の生徒を初めて担当しました。
その子は、中学生になってから一度も学校に来ていない生徒でした。
学年主任に連れられ、週に1回の家庭訪問。
玄関先で名前を呼んでも、反応はありません。
それでも私は、こんな言葉をかけ続けていました。
なんで学校に来ないの?
早く学校に来てほしいな。
みんな待ってるよ。
今振り返れば、
学校に来ることが絶対的な正義だと思い込んでいた発言です。
当然、状況は何も変わりませんでした。
そんな中で出会ったのが、不登校支援に関する書籍です。
そこに繰り返し出てきた言葉がありました。
不登校のゴールは、登校ではない。
社会的に自立することだ。
この視点に立った瞬間、私の関わり方は180度変わりました。
「先生」ではなく、「友達」になることから始めた
私は、目標を一つだけ決めました。
この子の友達になる
家庭訪問では、学校の話は一切しません。
自分の好きなこと、趣味、どうでもいい雑談。
時には手紙も書きました。
すると、少しずつ変化が起きます。
玄関を開けてくれるようになり、
好きなゲームやアニメの話をしてくれるようになり、
夏祭りにも一緒に行きました。
ある日、その子がぽつりと話してくれました。
本当は、学校に行きたい
勉強もしたい
そこからは、放課後登校や家庭学習を組み合わせ、
最終的には高校へ進学。
今は自分の夢に向かって歩んでいます。
この経験で、私は確信しました。
信頼関係なくして、支援は成立しない
教員を辞める年、もう一度向き合った「不登校」
もう一つ、忘れられない経験があります。
教員を辞める年、小学4年生の担任をしたときの話です。
そのクラスには、
小2〜小3まで、ほとんど学校に来ていなかった児童がいました。
4年生で担任したとき、
私は最初から「学校に来させよう」とは考えませんでした。
まずは、友達になる
その子は、
学校に行きたい気持ちはあるけれど、行けない理由がはっきりしていました。
だから私は、
その子を変えようとはせず、
理由そのものが消える環境づくりに力を注ぎました。
学級を育て、
安心できる空気をつくり、
受け入れ体制を整える。
結果、1か月で登校できるようになりました。
途中で休む時期もありましたが、
少しずつ周囲に打ち解け、
5年生になってからは、ほとんど休んでいません。
これは、その子が頑張ったからではありません。
環境が変わったから、来られるようになった
不登校支援は、子どもを変えることじゃない
二つの体験を通して、はっきりと言えるようになりました。
不登校支援とは、子どもを変えることではありません。
- 関係を築くこと
- 環境を整えること
- 安心できる居場所をつくること
その結果として、登校につながることもある。
つながらないこともある。
でも、それでいい。
目先の成果より、記憶に残る関わりを
その子の人生に、
「自分を否定せずに関わってくれた大人」が一人でもいたなら、
それは立派な支援です。
最後に
不登校の子と向き合うとき、
どうか自分を追い込みすぎないでください。
正解はありません。
だからこそ、信頼関係に集中する。
そのスタンスは、
子どもだけでなく、
教師自身も守ってくれます。



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