時間は意思決定で決まる
第3回では、
「完璧を目指さない」 というスタンスについて書きました。
完璧を手放して70点で回す。
それだけで、学級も自分も驚くほどラクになります。
でも、ここで次の疑問が出てきます。
「70点で回すって分かった。
でも、結局まだ忙しい日があるのはなぜ?」
その答えが、今回のテーマです。
時間は、作業量で決まりません。
意思決定で決まります。
忙しい日の共通点は「決める回数が多い」
忙しい日って、だいたいこうじゃないですか。
- 子どもの小さなトラブルが続く
- 注意するか迷う場面が増える
- その場で判断して動くことが多い
- 気づいたら1日が終わっている
このとき先生は、授業準備や事務作業よりも前に、
ずっと頭の中で何かを決めています。
- 今声をかける? いったん様子を見る?
- ここは注意? それともスルー?
- どこまで介入する? 誰に任せる?
- ルール違反にする? 特例で許す?
こういう“小さな決断”が積み重なるほど、
体感の忙しさは跳ね上がります。
つまり、忙しさの正体は
「仕事が多い」ではなく「決めることが多い」 なんです。
仕事が遅いのではなく、丁寧に“考えすぎている”
ここ、真面目な先生ほど誤解しがちです。
「自分は要領が悪いのかも」
「仕事が遅いから終わらないのかも」
違います。
忙しい先生ほど、むしろ
一つ一つを丁寧に考えて過ぎている。
- 子どもの気持ちも考える
- クラス全体の影響も考える
- 保護者対応の可能性も考える
- 管理職や学年の方針も考える
とにかく考える量が多い。
だから疲れるし、時間も削られる。
つまり問題はスキルではなく、
意思決定の設計 です。
シゴデキ先生は「迷う場面」を減らしている
ここでシゴデキ先生のやり方。
シゴデキ先生は、頭の良さで勝っているわけじゃありません。
迷う場面を減らす設計 をしています。
具体的には、こうです。
① 判断基準を先に決めておく
「この場面はこうする」という基準を、先に言語化します。
例)
- 授業中の私語:まずは“視線を送る”“近づく”まで
- それでも続く:席の移動 or 休み時間に短く確認
- 大声で注意はしない(空気が荒れるから)
こういう“型”があるだけで、
毎回考える必要がなくなります。
② ルールを増やすより「例外を減らす」
意思決定が増える一番の原因は、
実はルールの少なさじゃなくて、例外です。
「今日は特別だから…」
「この子は事情があるから…」
もちろん配慮は必要です。
でも例外が増え続けると、
先生は毎回その場で判断するしかなくなります。
だからシゴデキ先生は、
例外を作るなら、その例外にあたる基準も作ります。
時短の本質は「作業を速くする」ではない
多くの先生が、時短というと
- 書類を早く書く
- 授業準備を効率化する
- ICTで自動化する
みたいな「作業スピード」を想像します。
もちろん大事です。
でも、もっと効くのはこっち。
“考えなくていい時間”を増やすこと。
人は、作業よりも
判断している時間の方が消耗します。
だから、
判断を減らすと体感の余裕が戻ってきます。
意思決定を減らすと、学級も安定する
さらに重要なのがここ。
先生の判断がブレると、学級は荒れます。
- 今日は注意されたのに、今日はされない
- 先生によって対応が違う
- その場の空気で変わる
子どもは大人以上に、
“基準の安定”で安心します。
だから意思決定を減らすことは、
時短だけじゃなく、学級経営そのもの に効きます。
まとめ:時間は「決断の回数」で決まる
最後にまとめます。
時間は、
仕事量や気合で決まりません。
どれだけ意思決定を減らせたか で決まります。
- 迷う場面を減らす
- 判断基準を先に決める
- 例外を増やさない(増やすなら基準も作る)
このスタンスがある先生ほど、
忙しさが“再発しにくい”。
次回は、
第5回「楽する人ほど続く」。
「ラクをする=手抜き」ではありません。
続く形を作れる人が、結果的に一番成果を出します。



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